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火災保険の途中解約のルールを徹底解説。解約返戻金も出る!

引越しや、何らかの事情で火災保険を解約しなければいけなくなったとき、支払い済みの火災保険の保険料は戻ってこないと諦めてはいませんか。もしくは手続きが面倒で後回しにして、新しい火災保険と二重で保険に加入している状況になっていませんか。それでは大変な損をしてしまう場合があります。火災保険は、途中で解約をすると解約返戻金を受け取ることができます。

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これから火災保険に加入し直そう、引越しをしようなどと考えている方は必見です。

火災保険の解約返戻金を受け取ることができる方法を今回はご紹介したいと思います。

火災保険の解約返戻金とは

日本では、多くの方が、賃貸で入居する際や、住宅を購入した際に火災保険へ加入しています。

しかし、引越しをする際や火災保険を見直し、新たに別の火災保険へ加入する際に、元の火災保険を解約せずに放置していたりしませんか。火災保険では、保険料を一括で支払う方が保険料がお得になることが多く、ほとんどの方が、賃貸の場合では2年分、持ち家の場合は、5年や10年分の保険料を一括で支払ってしまっていることが多いのです。

保険期間が終了することなく、途中で引越しなどの自由で火災保険を変更もしくは解約しないといけない事態になった場合、申請をすれば保険を解約し、経過していない保険期間の支払い済みの保険料を返してもらうことができます。これを『解約返戻金』と言います。

火災保険は、満期金などもなく掛け捨ての保険だからこういった解約返戻金もないのだろうと誤解している方が多いと思います。しかし、火災保険は短期であろうと長期であろうと支払った分の保険料で、まだ保険期間が経過していない分は返還してもらえます。

保険会社によって異なりますが、残りの保険期間が1カ月以上あれば、一般的には解約返戻金が発生し、申請すれば受け取ることができます。

例えば、2年契約で保険料を2万円支払い済みであった場合、1年で退去することになり、保険期間が1年残っている場合は、解約返戻金は1年分の1万円返還されることになります。あくまで例ですので、保険会社によりますが、解約返戻金は、解約日や残りの保険期間によって金額が変わります。

残りの保険期間とは、解約日から保険が終わる日(保険満期日)までのことになります。

事前に解約手続きをした方が解約返戻金は多くなる?

解約返戻金は、解約日と残りの保険期間によってきまります。

引用元

退去日より前に、退去日を伝えておくと、退去日が解約日となりますので、解約日(=退去日)から保険期間満了日までの保険料が解約返戻金となります。

しかし、退去してから解約を申し出ると、退去日に解約日を遡らせることができないため、解約日は、退去日ではなく、退去日のあと、実際に解約手続きを行った日ということになり、退去日から解約日までの保険料が無駄になってしまいます。

引用元

残りの保険期間が短くなればなるほど、解約返戻金は減りますので、解約する事由が発生したらすぐに解約手続きを開始することをおすすめします。

例えば、あらかじめ引越し日などが決まっており、退去日が決定している場合は、保険会社に事前に解約の申し出をし、手続きを済ませることができます。

ただし、一般的には、解約日を過去に遡って設定することができませんが、まれに応じてくれる保険会社もあります。もし、引越ししてしまってからなど保険を解約していないことに気付いた場合でも、あきらめずにすぐに保険会社へ問い合わせてみて、解約日を遡ってもらえるかなどを尋ねてみるといいでしょう。もしかすると退去日からの保険料も解約返戻金として返金してもらえるかもしれません。

賃貸から賃貸へ引っ越す場合

賃貸の場合では、加入していることも忘れていたりして、新しい火災保険にも加入し、2重で加入している状況になっていることもよくあります。賃貸の入居の際は、賃貸の場合、火災保険へ加入することが入居の条件となっていることもあり、不動産屋のすすめる保険へ促されるままに加入することが多く、記憶にも残らず、解約なども忘れてしまいがちです。

不動産屋も保険会社もこちらから申請しなければ解約を指示してはくれないので、しっかりと自分で内容を把握し、自身で手続きをすすめなければなりません。

また、解約の手続きをせずに新たな火災保険と2重で加入しまっても、補償が2倍になることはありません。損害に応じた額しか保険料を受け取ることができませんので、複数の保険に加入していても損害額を複数社から分割されて受け取ることになるだけですので、単純に保険料がダブってその分損をしていることになります。

退去日は、事前にわかる場合がほとんどですので、しっかりと保険会社へ解約の申請をしましょう。</p>

賃貸から賃貸へ引っ越す場合は、火災保険を変更してそのまま使うのもお得かも

また、賃貸の場合は、新たな引越し先も賃貸の住宅であまり条件を変える必要がない場合は、以前の火災保険を新居にも適用することができます。そうすれば、新たに火災保険を支払う必要もなく手続きの手間も省けとってもお得です。

ただし、火災保険は、建物の構造や地域により災害のリスクも変わり、保険を変更するほうが保険料がお得になったり、補償を手厚くすることができたりと、その物件に応じたものに変更するほうがいい場合もあります。

例えば、水災の補償が必要のない物件へ引っ越す場合、水災の補償がついたままの保険だと余分に保険料を支払うことになるので、解約して、返金してもらい、安い保険へ加入し直すことができます。

また、鉄筋コンクリート造りのマンションから、木造の建物へ引っ越した場合、追加の保険料が必要な場合もあります。

保険会社へ相談するなどし、損をしないようにしましょう。

賃貸から持ち家へ引っ越す場合

一方、賃貸から持ち家に引っ越す場合は、大幅に保険の内容が変更になります。

例えば賃貸物件用の火災保険は、「借家人賠償責任特約」や「個人賠償責任特約」などがセットされており、賃貸特有の補償がある保険になります。これは持ち家の補償には該当しないので、以前の火災保険はしっかりと解約手続きを行い、持ち家用の火災保険へ新たに加入しなければなりません。

ただし、まれに前の火災保険を引き継ぎ、持ち家でも使用できる場合があります。その場合でも、家の構造や家財の保険金額など様々な要件などが変更となるため、ほとんどの場合が保険料を追加で支払わないといけません。解約返戻金を受取り、新たに火災保険へ入る方が、補償が充実し、保険料もお得になるかもしれないので、保険会社へ相談するなどして、保険を引き継いだ場合と、解約し加入し直すパターンの両方で見積りをもらえるようにすると比較検討ができオススメです。

持ち家から持ち家へ引っ越す場合

持ち家から持ち家であっても、火災保険は建物や所在地によって保険料は異なり、所在地によって必要な補償も異なります。同じような条件であれば、さほど変更もなく保険料も追加することなく保険を引き継げる場合がありますが、そうでない場合は、新しい住まいの環境や建物の構造などに応じて加入することができる新しい保険へ加入し直すというのもいいのではないでしょうか。

保険会社へ相談するなどして、引き継ぐ場合と、新たに加入し直す場合の比較をさせてもらうといいでしょう。

火災保険の解約・変更手続きの方法

火災保険の解約、変更は代理店や保険会社のコールセンターから手続きをすることが可能です。

賃貸の場合は、賃貸契約を締結した不動産屋や管理会社が代理店となり、加入している場合が多いです。火災保険の保険証券を探し、「取り扱い代理店」という欄を確認してみましょう。

そちらが契約手続きを行った代理店ということになりますので、連絡すれば手続きを行ってもらえます。しかし、直接保険会社のコールセンターへ問い合わせても問題ありません。むしろ保険会社で直接保険料の相談などもできるので便利とも考えられます。

インターネットが普及しているので、ネットから電話番号もすぐに検索することができます。そこまでするなら、保険会社へ直接連絡するほうが早いです。以下に簡単に手順を記載します。

  1. 保険証券を探す
  2. 代理店へ連絡するか、インターネットで保険会社を検索
  3. 保険会社のサイトに「契約者さま向けの窓口」をクリック
  4. 電話番号が表示されるためそちらへ連絡

多くの保険会社の場合契約者専用のサイトや、契約者専用の問い合わせ窓口が用意されています。そこへ連絡すれば、直接保険会社へ連絡することができ、解約返戻金がいくらになるのか、保険を解約することなく引き継ぐことができるのか、新たに必要な補償内容などを詳しく伺うことができます。新たな保険の見積もりや相談もできるので、是非インターネットでも検索してみましょう。

保険会社へ変更希望の連絡をすると、数日後に手続きに必要な書類が送られてきます。

そちらに、必要事項を記入し返送すると、解約した場合は、解約返戻金がある場合約1~2週間で指定した口座に返金されます。

火災保険の解約手続きの必要書類等

  • 印鑑
  • 保険会社の解約書類

電話やインターネットから解約の申込みをすると、保険会社から書類が送られてきますので、そこに必要事項を記入し、捺印を行い返送します。

火災保険の解約手続きの費用はかかる?

火災保険の解約手続きや変更の手続きの費用や手数料はかかりません。引越しの際などは、費用などを気にせず、しっかりと退去日を伝え、現状の保険を継続すべきか、解約して加入し直すかをすみやかに相談してみましょう。

手続きの際に注意すべきこと

保険会社から送られてくる書類の送付先住所をよく確認しなければなりません。すでに新居に入居しているなら新居の住所を忘れずに申告しなければなりません。これから転居をする予定ならば、転居日以降に新居に送ってもらったり、書類の発送日を確認して現住所に送ってもらうなど、重要書類が届きますので、確実に書類が受け取れるよう手配しましょう。

賃貸の場合、不動産屋へ言えば解約の手続きを行ってくれる?

賃貸物件に入居する際に、火災保険は不動産屋が代理店となっていて加入したという場合が多いかと思われます。その場合は、不動産屋に申し出ることにより解約の手続きを行ってもらうことができます。と言っても、全てを行ってくれるわけではありませんので、注意が必要です。

不動産屋が行ってくれるのは、概ね、解約手続きに必要な書類を自宅に郵送してくれるだけです。

その種類に、必要事項を記入し、捺印をして保険会社へ自分で返送する必要があります。

新居の火災保険も不動産屋がすすめるものに加入するのであれば、一度インターネットで一括の保険の見積もりをしてもらって、不動産屋が勧める保険ではなく、自身で選択した保険に加入してみてはいかがでしょうか。不動産屋が勧める保険は、不動産屋に保険会社から手数料が支払われている場合がほとんどで、加入者自身に合ったものではない場合が多いです。

自身に最適な保険に加入することで、保険料を大幅に節約することができます。解約返戻金も受取り、新しい火災保険は保険料を大幅に安くすることができるチャンスかもしれません。是非、不動産屋に保険を勧められたとしても、自身で選択したものに加入したい旨を伝え、火災保険を検索してみましょう。

火災保険を同じ保険会社で引き継ぐ場合の手続き

賃貸から賃貸の住居へ、持ち家から持ち家へというように、引越し元と、引越し先が同じ居住形態である場合、加入している火災保険をそのまま引き継ぐ方がお得な場合があります。

その場合は、契約している火災保険会社または、代理店に住所変更を申し出るだけで、異動手続きを行うことができます。

申込み方法は、解約時と同様に、インターネットで保険会社を検索し、契約者専用の窓口から電話や郵送にて行うことができます。また代理店を利用している場合は、代理店に申し出ることにより必要な書類などを揃えてもらうことができます。

ただし、引越し先と引越し元の所在地や建物の面積、構造なども異なっているので保険料率も変わってくる場合があります。災害のリスクなどが少なくなる場合は、保険料が安くなり返金されることもありますし、逆により保険料が高額になり、支払い済みの保険料ですが、追加で支払わないといけない場合もありますので注意が必要です。しっかりと保険会社や代理店などに確認をとりましょう。

実際に解約返戻金とはいくらぐらい返金してもらえるの?

長期一括払い契約における、まだ残りの保険期間分の保険料を未経過保険料と言います。この未経過保険料は、一括で支払った保険料に経過年月ごとに定められた係数をかけ合わせた計算式で算出した額になります。この数値を保険料にかけ合わせることで、未経過保険料を算出することができ、解約返戻金を求めることができます。

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ここでセゾン自動車火災保険の「じぶんで選べる火災保険」を例に挙げて解約返戻金を計算してみましょう。

例えば、保険期間5年、保険料100,000円の火災保険に加入している場合で、加入後1年で解約した場合は解約返戻金がいくらになるでしょうか。

セゾン自動車火災保険の未経過料率係数表

経過月数 経過年数
5年契約
0年 1年 2年 3年 4年
1カ月まで 95 76 57 38 18
2カ月まで 92 75 55 36 16
3カ月まで 90 73 54 34 15
4カ月まで 88 71 52 33 13
5カ月まで 86 70 50 31 11
6ヵ月まで 85 68 49 29 10
7カ月まで 84 67 47 28 8
8カ月まで 82 65 46 26 7
9カ月まで 81 63 44 25 5
10カ月まで 80 62 42 23 3
11カ月まで 79 60 41 21 2
12カ月まで 78 59 39 20 0

※(単位:%)それぞれ当該長期保険特約付保険契約の料率に対する割合を示す。

※経過月数につき1カ月未満の端日数は、1カ月として計算する。

上記の表の1年、1カ月までの該当する数字は「76」となります。

保険料は100,000円ですので、100,000×76%=76,000よって未経過保険料は76,000となり、解約を行った場合の解約返戻金は76,000円と分かります。

また同様に3年目に解約した場合は係数表の数値は、「38」となります。

よって、100,000×38%=38,000 よって未経過保険料は38,000円となります。

セゾン自動車火災保険の例になりますが、このように、長期で加入したとしても、残りの期間に応じた保険料を返還してもらうことができるので、解約の手続きは忘れずに行わなければなりません。

地震保険の途中解約も解約返戻金がある?!

火災保険の解約返戻金は、地震保険についても別途未経過保険料として解約返戻金が発生します。

地震保険は、そもそも最長5年までの契約になりますので、同様に経過年数に応じた係数を保険料に掛け合わせて算出される金額が未経過保険料となります。地震保険に関しては、どちらの保険会社においても係数は同じになります。

経過月数 経過年数
2年契約 3年契約 4年契約 5年契約
0年 1年 0年 1年 2年 0年 1年 2年 3年 0年 1年 2年 3年 4年
1カ月まで 90 44 93 62 30 95 71 47 23 96 77 58 38 18
2カ月まで 87 40 91 59 27 93 69 45 21 94 75 56 37 17
3カ月まで 83 36 88 57 24 91 67 43 19 93 74 55 35 15
4カ月まで 79 32 86 54 22 89 65 41 17 91 72 53 33 13’
5カ月まで 75 28 83 51 19 87 63 39 15 90 71 51 32 12
6ヵ月まで 71 24 80 49 16 85 61 37 12 88 69 50 30 10
7カ月まで 62 20 78 46 14 83 59 35 10 87 67 48 28 8
8カ月まで 63 16 75 43 11 81 57 33 8 85 66 46 27 7
9カ月まで 59 12 72 41 8 79 55 31 6 83 64 45 25 5
10ヵ月まで 55 8 70 38 5 77 53 29 4 82 63 43 23 3
11カ月まで 51 4 67 35 3 75 51 27 2 80 61 42 22 2
12ヵ月まで 47 0 65 33 0 73 49 25 0 79 59 40 20 0

地震保険は、近年値上がりが続いています。新規で加入すると大幅に値上がっている可能性もあります。解約することなく引き継げるならその方がお得かもしれないので、地震保険に関しても解約の際は、保険会社などに相談を行い見積もってもらうといいでしょう。

まとめ

火災保険は、掛け捨ての保険ではありますが、払い込み済みの保険料で、保険期間がまだ残っている場合は、解約をしても解約返戻金を受け取ることができます。

申請を忘れず、退去するまでにしっかりと保険の手続きを済ませれば、損することなく解約返戻金を受けとることができます。新たな保険の相談もできますので、是非保険会社や代理店へ相談してみて下さい。