【保存版】分譲マンションの火災保険の選び方と注意点。分譲マンションは、どういう火災保険を選ぶべきか?

分譲マンションの火災保険の必要性

分譲マンションの火災保険の必要性

新築でも中古でも、火災保険は一戸建ての場合に「建物」の保険をかけるイメージが強いですね。火災保険は「建物」と「家財」の補償をつけることが可能です。

賃貸住宅では「家財」のみの補償で問題ないのですが、

man
「では、分譲マンションの火災保険は、どうしたら良いでしょうか?」

火災保険に入らなくても、

man
「建物は、マンションの管理会社や不動産会社が補償してくれるのでは?」

と思っている人もいるかもしれませんね。

分譲マンションも建物と家財を含めて、任意保険ある火災保険に入る必要性はあります。

火災保険に入っていないと火災による事故が、発生したときには、どこからも補償されないことになります。

なぜなら火災の場合は、どの場所から出火しても所有している自宅は、他人が賠償することはできないからです。

隣の家からの貰い火でも、隣の人に重大な過失や故意な要因がなければ、自分の火災保険を使うことになります。自分の家は自分で守る必要があるということです。

火災保険は、建物評価額の80%以上の損害で、全損と判断されています。住宅ローンの返済が、残っている時の災害を考えると、火災保険に入ることをおすすめします。

分譲マンションは火災保険でどこまで補償されるか

分譲マンションは火災保険でどこまで補償されるか

分譲マンションの火災保険で補償される範囲をご存知でしょうか?

特に建物の補償範囲について、わかりづらいため説明していきます。

マンションの建物をイメージすると、マンション1棟と考えがちですが、そのマンションを個人が所有する部分を分譲しているため、マンションの部屋ごとに所有者が存在することになります。

そう考えると火災保険では、「個人名義になっている部分の範囲」はご自身の建物として判断します。

マンションは、共有部分と専有部分に分かれています。

共有部分は、分譲マンションを購入した住居人の全員が、利用できる共有スペースのことで、エントランス・ロビー・エレベーター・非常階段などが辺ります。

この共有分は個人の所有物ではないため、火災保険の補償範囲の対象外になるということです。

火災保険の補償対象となるのは、専有部分のみですが、分譲マンションの管理規約によって専有の範囲が、一部異なる部分があります。

マンションとは、集合住宅なため、隣どうしは壁面によって分離され、壁を柱として考えることになりますね。その場合に、壁面は厚みがあり、どこからの範囲をどちらの所有物か判断しなければなりません。

その基準は、壁面の内側から部屋を個人の所有物とする「上塗基準(うわぬりきじゅん)」と、隣接している、壁面の厚みの真ん中から、縦半分に区切って、個人の所有に含める「壁芯基準(かべしんきじゅん)」の2パターンの基準があります。

上塗基準は、部屋の中だけというイメージなので、実際の生活スペースとなりますが、壁芯基準は、壁の内部まで、所有物と考えます。

teacher
これは、マンションを購入したときの契約書に記載があるため、ご自身の所有する専有免責が、どちらの基準になっているか、調べておきましょう。

火災保険の補償範囲は、マンションの規約に基づいて、所有者の専有部分を「建物」としています。

このことから、上塗基準であれば、隣の火災が部屋の内部まで浸透していないようなら、ご自身側の火災保険の対象ではなく、壁芯基準なら、隣からの火災で、壁の半分以上、燃え移っていれば、部屋に火災の影響がなくても、自分の火災保険を使うことになる、可能性が出てくるわけです。

分譲マンションの建物の範囲

分譲マンションの専有部分が建物として判断されます。それでは、所有する建物の範囲をもう少し具体的に説明していきます。

専有部分は、マンションの構造にもよりますが、玄関前にポーチとして、門が設置られているマンションもありますね。他人が容易に入れない場所は、個人の所有する専有部分となります。

man
「そうすると、ベランダや庭も専有部分になるのでしょうか?」

分譲マンションのベランダや庭の所有権は、「個人になっていない」ことがほとんどです。

しかし、契約書をよく見てみると「専用ベランダ」や「専用庭」と記載されていることがあります。これは、専有部分ではなく「個人専用に使用権が認められた場所」という意味になり、実際には、共有部分の一部を個人的に使用していると判断されます。

なぜ分譲マンションのベランダや庭は、個人所有にならないのかと言うと、火災や地震で避難するようなときを想定しています。

集合住宅では、ベランダに避難用スロープを設けていたり、庭との境目は開閉できる扉を設置している、もしくは簡易的な壁ですぐき壊せるようになっていたり、災害時には、避難通路として使用するためにの場所としているからです。

よって、火災保険の補償範囲として、分譲マンションのベランダや庭は、含まれないことが多くあるため、充分注意しましょう。

分譲マンションの建物(契約書に記載の専有部分)

  • 購入した部屋の内部全体(壁芯基準なら、壁の内部まで)
  • 部屋の天井、壁、床、窓
  • 室内の扉のように壁や床に固着しいているもの

分譲マンションの家財の範囲

次に、家財補償の範囲です。家財については一般的な基準に相違ないため、ご自身の持ち物全般と考えて問題ありません。

家電や日用品、洋服や書籍など動産は、全て家財になります。

分譲マンションの家財(業務使用以外の動産)

  • エアコン、TV、PCなど生活家電
  • 食器などの日用品全般
  • 洋服や趣味の持ち物

分譲マンションの建物の評価額

火災保険の保険金額は、建物の評価額から設定します。一戸建ての場合は、実際に建物を購入した金額なので、わかりやすいですが、分譲マンションの場合は、購入金額そのままではありません

分譲マンションの購入金額には、不動産会社の利益や広告費以外に、共有分の使用権など火災保険の補償範囲の専有部分以外の費用が、多く含まれています。

そのため火災保険で評価額を設定するには、「建物評価額の計算式」を設けています。

新築マンションと中古マンションで、それぞれ計算方法があり、市場価格に基づいて評価額を設定します。

新築マンションの評価額

新築マンションは購入価格がわかるため「新築費倍法」を用いて評価額を算出します。

共有部分の利用権利は非課税のため、まず消費税を計算します。

そして、専有部分のみの金額を40%に共有部分を60%の割合にして、専有部分の40%を乗じることになります。

消費税額÷0.08=建物の金額
建物の金額×0.4=評価額

この計算式で算出した評価額は、プラスマイナス30%の範囲で増減可能になります。

中古マンションの評価額

新築時の購入価格が不明の場合は、主に「新築費単価法」という、その物件が新築時の1平方メートルあたりの単価を免責に乗じて算出する方法を用います。

1平方メートルあたりの単価×専有面積=評価額

単価は、地域ごとに新築マンションの市場価格を元にしながら、保険会社それぞれが、定めています。

分譲マンションの家財の金額設定

火災保険の家財補償は、どれくらいの金額設定が望ましいのでしょうか。住居人全員が、所有する家財道具を全て計算すると、結構な金額になりますね。

家財補償だけで、数千万円を設定することも見られますが、保険料を無駄なく契約するには、家財補償の金額設定を少し考えてみると良いでしょう。

火災で全焼したときに、家の中にある隅々の物を火災保険で、補償する必要があるかというと、意外にそうでもないと考えることもありせんか。

日常生活に困らない最低限の家財道具と、趣味の大切な物をあわるといった範囲で、家財補償の金額を決める方も多く見られます。

分譲マンションの建物評価額は、基準がありますが、家財補償は住居人によって幅広く保険金額を設定できることになります。保険期間途中に見直しができる、家財補償の保険金額は、家族構成や実際の持ち物から、予算にあわせて、設定することをおすすめします。

火災保険の補償範囲の選び方

火災保険の補償範囲の選び方

火災保険は、選ぶ補償範囲によって保険料に大きく差が出てきます。

分譲マンションの火災保険の補償範囲の選び方について、必要な補償と不要だと考えられる補償について、みていきましょう。

火災補償

基本となる火災・落雷・爆発による補償です。

風災補償

自然災害にようる、台風・竜巻・雪・雹による被害を補償します。

水災補償

水に起因する損害の、洪水による浸水を補償します。

破損・汚損

日常生活による偶然な事故で、建物や家財の破損や汚損を補償します。

盗難・水濡れ

日常生活による、盗難被害や水道管から水が漏れてきたような水濡れ被害を補償します。

この5種類の補償が、一般的な火災保険の補償内容となっています。

そのなかで、分譲マンションに必要な補償は、火災補償以外にそれほど重要視しなくても良いと判断できます。

風災補償で、台風や竜巻の被害が、マンションでどれくらいの損害を被るか想定が難しのですが、屋根が飛んでいくようなことは、あまり発生しないでしょう。

万が一を考えて、窓ガラスが割れるようなことがあるかもしれないと言った程度かと考えられますね。

一戸建ての住宅なら、風災は必須補償に入れたいところですが、分譲マンションでは、あまり必要性を感じられません。

しかし、火災保険のプランで風災補償がセットになっていることが多く、外したくても外せない補償の場合は、風災補償に免責金額を10万円や20万円と設定することで、保険料を安くできます。

水災補償は、浸水がメインの補償になります。

分譲マンションの場合は、1階の住居者で、しかも川が近くにあり過去に浸水被害があった地域でない限りは、必要性が感じられす、不要な補償と言えます。

その他の、日常生活による損害を補償する、破損、汚損や盗難などについては、個々の判断に、あわせて追加してみると良いでしょう。

もうひとつ、火災保険にはおすすめの特約があります。

ご自身補償ではなく、日常生活における、相手に対する賠償の特約で「個人賠償責任特約」のことです。自動車保険や生命保険でも、同じ特約を設定することもできます。

teacher
火災保険は、保険期間を長く設定できるため「個人賠償責任特約」の保険料が、1年契約の自動車保険より割安になります。いくつも重複して特約をつける必要はないので、火災保険で「個人賠償責任特約」をつけることを検討してみるのも良いですね。

分譲マンションに地震保険は必要なのか

火災保険には、地震保険をセットできるようになっています。

築年数の古い、中古マンションでなければ、分譲マンションは、地震に強い耐震や免震基準の高い建物が多く、地震保険の必要性を感じないのではないでしょうか。

確かに分譲マンションが、地震で倒壊するおそれは少ないのですが、大きな地震では、マンションが傾いてしまう可能があります。

また、主要構造の一部に損害が出ただけでも、マンション1棟の建て直しを余儀なくされることも出てくるため、火災保険に地震保険をセットで契約することをおすすめします。

よく地震保険は、保険金が支払われないと言われるのですが、火災保険と保険金の支払い方法が、異なるだけで、地震保険の補償範囲に基づいて、必ず保険金は支払われます。

ただし、地震保険は当面の生活再建費用を補償する目的で、政府と民間の保険会社の共同運営のため、建物評価額の最高でも50%までの補償となっています。

teacher
地震保険の家財補償も同じく、火災保険で契約する家財補償の50%が限度額ですが、分譲マンションでは、地震に強い建物だからこそ、大きな揺れによる、家財道具の損害が大きくなるため、地震保険の家財補償も必ず入るようにしましょう。

分譲マンションの火災保険の保険会社の選び方

分譲マンションの火災保険の保険会社の選び方

火災保険は、マンション購入時にあわせて、不動産会社からすすめらたり、住宅ローンを借りる金融機関から、すすめられることが多いですが、どこの保険会社で契約しても、全く問題ありません。

賃貸住宅の場合は、大家さんや不動産会社が賃貸契約に保険会社の指定を含んでいると、選べないでのですが、分譲マンションの火災保険は、自由に選べます

マンションの購入にあわて、すすめられる火災保険が、必ずしも割安かというとそうでもありません。

ただ、保険会社と提携していることで代理店手数料をもらえるからすすめているため、火災保険の契約者へのメリットが感じられません。

不動産会社や金融機関で契約することで、大口の団体割引が適用されるようなら、保険料が安くなる可能性もあるため、見積もりを出してもらい他社と比較すると良いでしょう。

火災保険は、取り扱い保険会社がそれほど多くないため、一括見積もりサイトを利用して、まとめて保険料を試算してみると良いですね。特にインターネットで契約する、にダイレクト系の保険会社のほうが、代理店型より割引サービスが充実しています。

ダイレクト系の保険会社は、セキュリティシステムの割引やノンスモーカー割引など、保険会社ごとの特徴も踏まえて自分にあった火災保険を選ぶようにしましょう。

火災保険の保険期間や支払い方法について

火災保険は、保険期間が1年から10年まで選べます。長期間で契約したほうが、割引の適用になるため保険料が、節約できるためおすすめです。

もちろん火災保険は、保険期間途中に補償内容の見直しができます。家財補償は、趣味の家財道具が増えたり、家族が独立して住居人数が減ったり、と状況にあわせて、調整するようにすれば、問題ないですね。

すぐに転居の予定がなければ、10年間の火災保険が最も保険料が安くなります。支払方法は、一括払いが割安ですが、長期契約の分割でも、1年契約より保険料が安くなります。

そして、地震保険のみ、控除対象のため年末調整や確定申告で、税金の調整が可能となっています。

分譲マンションの火災保険を選ぶ注意点

分譲マンションは、建物が一戸建てより丈夫なイメージで、火災にも地震にも強くいため火災保険に入る必要がないと思いがちですが、災害での補償に備えて火災保険は不可欠ですね。

分譲マンションのように集合住宅では、自分の責任だけではどうにもならない損害が発生しやすくなります。

上下左右が隣り合わせになっていると、火災の被害を被りやすいうえに、相手には賠償責任がありません。結局、自分の部屋は自分の火災保険から補償するほかないため、しっかり火災保険に入りましょう。

火災保険の補償範囲は、分譲マンションの場合に「風災」「水災」の必要性を感じなければ、火災のみの補償範囲で、建物と家財に充分な保険金を設定するようにして、保険料を節約できますね。

地震に強い、分譲マンションでも地震保険が必要です。

マンションの一部に損害が出たことによって、建て直しになったり、揺れを吸収する構造だからこそ、家財道具の大きな破損が、発生したりと想定外のことが起きやすいのが、震災です。火災保険と同時に地震保険も大切な財産を守る保険となります。

そして、選ぶ保険会社は自由です。必要な補償のプランを選べる保険会社を見つけるためにも、他社との比較を必ずしましょう。


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