家を建てたら、必ず火災保険に入るようすすめられます。
住宅ローンを借りたら、銀行でも火災保険のパンフレットをもらい、ハウスメーカーからも、提携の火災保険があるからとすすめられますね。
今まで、賃貸住宅で大家さんに言われるまま、火災保険に入っていたから、新築物件で火災保険に入る時は、一から自分で決めていかなければなりません。
保険会社もいろいろあるため、
知識がないと全く見当がつかないこともあるでしょう。新築物件の場合は、火災保険を長期契約することが多いため、無駄のないようプランで保険料も安くおさえたいですね。
そんな、新築物件の火災保険の選び方や注意点について、ご紹介していきます。
目次
新築物件はいつから火災保険を始めるの?
新築物件の建設中は、まだ建物の所有権が、ハウスメーカーになっています。
そのため火災保険を契約できるのは、ご自身に所有権が移ってからですが、そのタイミングは、建物の「引き渡し日」に、鍵を受け取ってからとなります。
火災保険は、保険の開始時間まで1時間単位で設定できるため、引き渡し当日の鍵の受け渡し時間にあわせて、火災保険を開始できるよう、前もって申し込み手続きを済ませておきましょう。
新築物件で火災保険に入る方法
新築物件と賃貸住宅では、火災保険の入り方が、少し変わってきます。
賃貸住宅は、ある程度、情報がある中で火災保険の補償を選べば良いのですが、新築物件は、すべて自分で決めながら火災保険の手続きをします。
火災保険の選び方は、住宅ローンを借りた銀行や、家を建てたハウスメーカーが保険会社と提携していることが多く、だいたいこの2箇所から火災保険をすすめられます。
特に、銀行は保険の代理店となっているため、火災保険の契約によって代理店手数料がもらえます。そのため住宅ローンを借りた方へ火災保険の契約をすすめますが、保険料が安くなるようなメリットはありません。
ハウスメーカーと保険会社が提携している場合は、新築物件の手続中に、火災保険をあわせてすすめられることも増えています。
この場合は、銀行のように保険の代理店としてすすめてくるだけなら、あまりお得とは言えませんが、保険会社との提携割引が10%あるといった、特別なメリットがあれば契約をおすすめします。
なぜかというと、ハウスメーカーが、新築物件の火災保険に必要な建物情報を持ち合わせていることから、必要項目の確認が、速やかにできる点や割引の確認資料をすぐに、提出できる体制が整っているからです。
本来なら、火災保険のために自分ですべて建物情報を調べる手間を、ハウスメーカーが行なってくれることもあります。
ではハウスメーカー以外で、火災保険を選ぶとなれば、わざわざ保険の代理店を探す必要はありません。
火災保険は自動車保険より契約条件がシンプルなため、火災保険の見積もりサイトを利用して、一括見積もりをしてみるのが的確で早い方法です。
新築物件の割引と適用できる火災保険の割引をそれぞれ見ていきましょう。
新築物件の火災保険割引について
火災保険は、新築物件に適用できる割引があります。
新築物件については、古い建物より、耐火基準を満たしている物件が多いため、火災に強い建物であれば、割引対象としているためです。
また、建物の設備によって適用できる割引があります。火災が発生しにくい設備や盗難に対するセキュリティーが装備されていると割引対象ですが、保険会社によって割引が設けられていない場合もあります。
建物築浅割引
建物の築年数が、10年未満であれば適用されます。
築年数1年から9年の間で、保険期間の年数1年〜10年の契約年数に比例するように、保険料を最高10%から最低1%の割引が適用されます。
長期割引
火災保険の契約期間は、1年から10年ですが、5年や10年といった長期間の年数で火災保険を契約すると保険料が安くなります。そして、さらに「一括払い」が、お得です。
オール電化割引
ガスの火を使わないことで、火災が発生しにくい建物による割引です。
ホームセキュリティー割引
新築物件に警備会社と契約を提携した、監視カメラなどのセキュリティーシスムを設置している場合に適用される割引です。途中で警備会社との提携を解除したら、この割引も適用外になります。
発電住宅割引(エコ住宅割引)
住宅専用の「太陽光発電システム」または「エネファーム(家庭用燃料電池)」のような発電システムを設置した住宅が、適用される割引です。
ノンスモーカー割引
住人に、たばこの喫煙者が1人もいない場合に適用されます。途中で喫煙するようになれば、適用外になります。一時的な来訪者の喫煙は、補償対象です。
以上の火災保険の割引サービスを、新築物件に適用できる場合は、火災保険の契約時に必要書類を提出して、割引を適用しましょう。
建物の構造による割引
新築物件が、木造住宅や鉄骨住宅、2×4など建物の構造によっても割引が適用されます。
火災保険を契約する際には、この物件情報がわかる書類の提出が必要です。
木造住宅(H構造)より鉄骨住宅(T構造)のほうが、火災に強いため、保険料が安くなります。
紛らわしいのが「省令準耐火構造」という、木造住宅や2×4の住宅で、耐火基準を満たしていることがあります。
見逃しがちなため、割引適用になるかハウスメーカーから、建物情報を詳しく聞いておくと良いでしょう。
火災保険の割引に必要な確認書類の取り付け
火災保険の割引を適用させるための、確認資料の提出が必要になります。
「建設住宅性能評価書・重要事項説明書・全部事項証明書」のような書類であったり、住宅の構造が、わかる図面やパンフレットでも対応可能な場合や、ノンスモーカー割引のように口頭での申告ベースの割引もあります。
このように、火災保険の割引を適用するための書類は、ご自分で用意します。
新築物件は賃貸のように大家さんが手配してくれませんので、ハウスメーカーに問い合わせながら、書類を取り寄せるといった、手続きが必要になります。
新築物件の建物の金額設定について
火災保険のメインとなる保険金額の設定の仕方について、新築物件は建物の購入価格が、はっきりしているため、そのままの金額で設定できます。
よくあるケースが、入居したあとから、外構を工事するための予算金額の未定の場合ですが、その金額は決定次第、火災保険の契約後でも、追加可能なので心配ありません。
火災保険の補償内容について
賃貸物件のときは、自分の家財だけの補償で良かったのですが、建物も家財も所有するとなるため、火災保険の補償内容を慎重に選びたいですね。
火災
基本補償の火災については、迷うことはないですね。
火事以外に落雷や爆発も対応しています。地震による火災は対象外な点が注意です。
風災
台風・竜巻などの、異常気象の発生を考えて、風災を入ることをおすすめします。
新築物件は、屋根の修理も自己負担になります。災害要因なら火災保険で補えるため、雪の多い地域も含めて、風災は必要な補償だと言えます。
水災
過去に水害が発生している地域や、川が隣接している地域なのであれば、必要な補償です。浸水の心配がない、立地条件が高台であれば、不要の補償になります。
盗難・水濡れ・破損
災害以外の補償は、新築物件であっても、必要性は考え方次第です。
ホームセキュリティーを設置したから、盗難は不要という考えや、水濡れくらい自己負担で直すから必要ないというなら、入らなくても問題ないでしょう。
壁や窓ガラスの破損は、新築物件の場合に、一定期間は、保証されていることもあるため、確認しておくと良いですね。
家財補償の決め方
家財の量にあわせて、保険金額を設定するのですが、建物の中にあるもの全てが家財でないため、注意しましょう。家財は持ち運びできる物、いわゆる「動産」となります。
例えば、家電で入居時に建物に埋め込まれている間接照明を設置したとしたら、それは、「建物」と考えます。間接照明のライトを家電量販店で購入して部屋の角に設置したのであれば、その証明は「家財」ということです。
また、壁にクローゼットが、設置された物件ならクローゼットは「建物」となり、タンスやワードローブを引っ越し時に、持ち込んで設置したら「家財」となります。
単身者や夫婦2人で、新築物件に入居する場合に、はじめは家財の量が少ないかもしれません。あとから家族がふえたり、趣味の家財が多くなってくれば、火災保険の保険期間中でも、家財補償の保険金額を変更できます。
地震保険を含めるかどうか
地震保険は、必ず入ることをおすすめします。
耐震の建物だがら、新築だし丈夫だから地震保険に入らなくても大丈夫という過信をしては、心配です。
なぜなら、地震で発生した火災は、火災保険では補償されないだけではありません。建物が、耐震性の高いため揺れに強くても、地震の揺れで、家財道具がめちゃくちゃに、破損することも考えられるためです。
火災保険の保険期間の選び方
火災保険は、最長10年までの契約ができます。
好きな保険期間で契約できるのですが、新築物件の場合は、住宅ローンが長いと火災保険の年数を10年で契約するように金融機関から指定されることもあります。
とくに、年数の指定がなれば、何年契約でも良いのですが、やはり保険料が割安なのは、長期契約です。予算に余裕があるなら、10年契約が、最も保険料がお得になります。
建物と家財を10年の火災保険を契約すると、一括で支払うのが難しいときは、月払いを選べは、一回の負担が少なくて済みます。
さらに、もうひとつの手段として、建物と家財を別契約にする方法が選べます。
建物を保険期間10年で契約して、家財のみ1年や5年で契約したい場合に、トータルで、保険料が安くはならないのですが、新築物件の初期費用から、火災保険料の負担軽減として、建物と家財をそれぞれ別契約をする考え方も可能です。
新築物件へ建て替えたときの火災保険
古くなった建物を新築に建て替えたときの火災保険の選び方を説明します。
建て替えの物件も新築物件には、違いないため、今まで契約していた火災保険を解約してから、新しく火災保険を契約するのであれば、全く問題ありません。
問題になるのが、今まで契約していた火災保険が「積立式の保険」の場合です。
あと数年で火災保険の満期になり、積立金が戻ってくるなら、無理に解約すると、もったいないですね。そのような場合は、解約しなくても大丈夫です。
しかし、建て替えの時によくあるケースで、積立の火災保険の金額が、新築物件の建物価額より少なくときは、2重契約でも引き受けができます。
例として、積立の火災保険は、2,000万円で契約しているが、新築物件は4,500万円で建てたとなったら、保険金額が足りませんね。
だからと言って積立の火災保険を解約せずに、新規で4,500万円の火災保険の契約はできないことになっています。
そのような場合は、保険金額の足りない、2,500万円分だけを新規で火災保険を契約することもできます。
トータルで4,500万円の保険金額であれば、火災保険を2つ契約して問題ないためです。
そして、積立の火災保険が満期になってから、新規で契約した火災保険に、2,000万円を上乗せして、1契約に移行すれば何の心配もなく火災保険が継続でますね。
新築物件の火災保険を選ぶときの注意点
火災保険を選ぶ時に、新築物件の場合は、少し注意が必要ですね。
大切な建物に対しては、しっかり補償を厚くしながらも、適用できる割引は、充分利用して保険料を安くして契約しましょう。
住宅ローンを借りた金融機関やハウスメーカーに、すすめられる火災保険が、必ずしも良いわけでなく、保険料にも大きな違いがあります。
火災保険は、保険会社による割引制度が大きく違うのも特徴です。
同じ補償プランにしても、他社で見積もりをすると保険料に差がでてくるので、いくつも火災保険の見積もりをとって比較してみると良いでしょう。
そして、新築物件は、建物の構造に注意して、各割引を適用するためには、構造種別がわかる書類や省令準耐火が適用になる書類の提出など、火災保険を契約する前に、準備をしておく必要があります。
公的書類は発行まで時間がかかることもあり、火災保険の開始に間に合わないと、割引適用外のままで、高い保険料を支払うことになってしまいます。
新築物件の家財補償の決め方にも、気をつけましょう。
よく、キッチンは家財だと思っている方が多いため、気をつけてほしいのは、システムキッチンのコンロやビルトインオーブンなど、はじめから設置されているものは「家財」ではなく「建物」となります。
キッチンの引き出しの中にある、キッチン道具は「家財」です。そういった細かいところで、家財補償の認識を誤って、保険金額の設定をしないように注意したいですね。
地震保険については、新築物件の耐震性に頼り切らず、契約をおすすめします。
大きな震災では、被害が予想できずに、思わぬのとことで、損害を被ってしまうため、建物も家財もご自身の責任で、保険の契約をしたほうが安心できます。
火災保険は、保険期間途中の見直しもできます。長期契約をしていたとしても、家財補償の保険金設定を変更することも可能です。また、保険会社特有の新しい割引サービスができると、他社に乗り換えたほうが、保険料が安くなることも考えられます。
火災保険を5年や10年で、契約しても毎年、保険会社からは契約内容の確認書類が送付されるため、その都度補償内容をみて、不要な補償があれば、外したり見直しは必要です。
ご自身の財産の建物の火災保険をより良く、お得に契約できるように、いろいろと比較検討をおすすめします。